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本日、2020年12月21日の晩婚パパの育児日記の主な演目は【地方の小規模校の特権?一人っ子でも非認知能力を育てる遊びの話し】です。
他学年との交流・遊びは子供の非認知能力の育成にプラス?!
地方の小規模校の特徴としてよく挙げられるのは複式学級の存在。
複式学級は生徒数が少ない状況に対する対策として、複数学年の生徒を同じ教室で指導する方法・学級です。
つまり、同じ教室内で違う内容の授業が同時に行われるわけですので、普通に捉えればやはりデメリット面が強いかと思います。
僕自身も、あおばの入学前はその点を心配していました。
ですが幸いにも、あおばの学年は小学校1年・2年時の主要科目については、単学年での授業(=単式学級)になりました。
他方、音楽や体育などの科目は2学年合同での授業(=複式学級)。
生徒数が何名から、単式学級となるか複式学級になるかの分岐数は、各自治体ごとに異なるそうです。
あおばの通う学校の地区では、あおばの学年は人数的に単式学級となったため、以下のように単式と複式の “イイトコ取り” ができてしまいました。
- 国語・算数などの主要科目は単学年のみで集中して。
- 音楽・体育などの科目は複数学年での交流も学べる。
このような “イイトコ取り” ができる可能性もあるので、「複式学級=デメリットではない」と、体験的に言い切れます。
また、学校の授業を単に、点数で計ることが可能な《認知能力》を育成するためだけのもの、と捉えるのはもったいないと思います。
学校の授業には、《認知能力》だけでなく、《非認知能力》を育む面も求め得ることができると思います。
その要求はもちろん、単式学級でも十分可能です。
ですが、《非認知能力》とはどんな能力か?に注目すれば、「複式学級のほうが効果的?!」と思えるのではないでしょうか。
非認知能力とは
ではここで、《非認知能力》とはどんな能力なのか? を簡単に。
非認知能力とはたとえば、以下のような力・能力のことを指します。
- 興味・関心をもって目標へと向かって粘り強く取り組む姿勢・頑張る力
- 主体性を持って他の人と上手く関わり合ったり仲間と協調をする力
- 感情を上手くコントロールできる能力
また、専門家によると、『他の人と関わり合ったり協調をする力』に関しては、その力をより育む枠組みとして、以下のような条件が想定されているそうです。
非認知能力に関わる「協同する力」とは、単に友だちと仲良く遊べればよいのではなく、異質な相手と折り合いをつけて、一緒に課題を追求するような姿を想定しているとされています。
出典:秋田喜代美・中山昌樹・太田亜希. (2015). 座談会: 今、 OECD など世界が注目している「社会情動的スキル」とは?(特集 子どもの未来につながる力を幼児期から育む)これからの幼児教育
いかがでしょうか。
この文脈からしますと、複式学級には「単式学級には無いメリットがある」と、言えるのではないでしょうか。
“異質と相手”はやや言い過ぎになるかもしれませんが・・ 上・下級生とも一緒に遊ぶ・学ぶという環境は、同級生だけでのそれとは比較にならないほど、非同質的だと思います。
自分があおばと同じ小学2年生だった時のことを考えてみますと、上級生と一緒に学ぶという環境は、誇張なく“異質と相手”との接触だったと思います。
小2の自分にとって、小5や小6の子は、遥か年上のお兄さん・お姉さんに見えたものでした。
しかも、もしかしたらというか・・おそらく間違いなく、授業時間より“休み時間に一緒に遊ぶ時間”のほうが、引用部分の内容により沿うことになると思います。
上述の引用部分より一節を再度抜き出してみます。
単に友だちと仲良く遊べればよいのではなく、異質な相手と折り合いをつけて、一緒に課題を追求するような姿
この姿とは、同じ学年の仲間(=タメ友)とだけでなく、他の学年の子達と一緒に《ルールなどを決めながら遊ぶ》姿のことを指している・想定しているように感じ取れます。
非認知能力を育てる遊びの具体例
本日、あおばが夕食時に学校での遊びのことを色々と話してくれました。
と。
そのとても満足感のある楽しい感じの声のトーンを聞いて嬉しくなり、僕も思わず尋ねていました。
と。
あおばは、学校の中休みと昼休みの時間に体育館でその遊びをしていることを、とても楽しそうに話してくれました。
その遊びで使っているポーズを実際に何種類も取りながら(笑)。
あおばがとても嬉しそうに説明してくれたその遊びの要点をまとめると次のようになります。
- 複数の学年の児童が参加している
- 男子も女子も参加している
- 遊び自体もそのルールも自分達で考えた
- 遊びながら皆でその場で新しいルールを幾つも加えている
- 誰かが提案した新しいルールに別の誰かが異議を唱えて改良したりもしている
- 新たなルールを加えたことで、前に決めたルールとの間に不整合が生じることに誰かが気づいた場合は、皆で協議をしてルールを変更したりもする
どうでしょうか。
まさしく、単に友だちと仲良く遊べればよいのではなく、異質な相手と折り合いをつけて、一緒に課題を追求するような姿 そのものだと感じられないでしょうか。
非認知能力についてネットで調べたフィンランドの教育内容より
当記事を書くにあたり、インターネットで《非認知能力》について改めて調べてみた内容の中でフィンランドの教育についてのものがありました。
以下にその内容の一部を引用させてもらいます。
実はフィンランドの教育は、この非認知能力を身につけさせるのに最適な教育だとして、参考にされることが多いのです。
カリキュラムには明確に、「非認知能力を育てること」が目標に掲げられているわけではありませんが、フィンランドの幼児教育を受けていると、“結果的に”非認知能力が備わるといわれています。
その理由は、(1)子供たちが主体となって夢中で遊べるように、安心できる環境を整える、(2)子供自身の興味・やる気を尊重し、伸ばしてあげる、(3)学ばせるのではなく、子供自身が主体的に身につけていく、(4)子供の成功体験を積み重ねる、といった、「子供の主体性を育てる」取り組みが実践されているからです。
出典記事:子供の非認知能力が“結果的に”伸びる! フィンランドの幼児教育がスゴい
https://fqkids.jp/3257/ より
フィンランドといえば、世界幸福度ランキングの上位常連国(今年で3年連続の1位)でかつ、学力世界一の国。
かの国の教育スタイルが参考にならないわけはありません。
上述の話しは幼児教育の話しですので、小学生よりは少しばかり下の子供を主な対象にした話しかもしれませんが、その基盤があってこその「学力世界一!」。
その意味で、教育の本質が、フィンランドの幼児教育の中にこそあると考えてもよいのではないでしょうか。
まとめとして
以下、本日の当育児日記でふれた内容を簡潔にまとめてみます。
プラス、新たな点も加味して。
地方の小規模校のデメリットと思われる・思われがちな “複式学級制” は、《非認知能力を育む》という観点から捉えれば、むしろメリット。
そのメリット面は、専門家が指摘する効果的な姿と合致する。
また、教育先進国のフィンランドの教育方針とも合致する。
以下は、このまとめの章でプラスする内容。
単式学級と地方の小規模校の複式学級の違いは、一人っ子と兄弟・姉妹がいる子の関係性に置き替えることが可能かと。
単式学級は同学年の子のみ。
また、単式学級は人数が数十人規模のケースが多いので、子が個として孤立しやすい傾向も。
⇕
複式学級は逆に、複式となっても少人数のケースが多いので、子同士のつながりが濃くなる傾向がある。
つまり、一人っ子の場合に必然的に欠けてしまう要素を、複式学級があるような小規模の学校の場合は補うことができる、というわけです。
仮に、複式学級の場合は認知能力面では単式学級に劣る点があったとしても、これからの時代にはより必要とされる《非認知能力》を育む面では、よりメリットがあると考えられる。
これらの複数の観点を合わせてみると、本日の記事の結論に達しました。
一人っ子のウチのあおばが、とっても楽しそうに複数の年齢の学友達と遊んできた話しを聞きながら。
「これって、もしかしたら地方の小規模校の特権?」
と。