チャットGPTを小4の子供が登録&初体験!反応は?教育必要?

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本日の《コーチング的育児実録》の演題は【チャットGPTを小学4年生のわが家の子供が登録&初体験!その反応は?教育は必要?】です。

AI・人工知能と人間社会の関係性に、大きなブレイクスルーをもたらす衝撃的な存在として話題の対話型AI『チャットGPT』。

従来のAIとは異次元レベルの高性能ぶりに対しては、「人間の仕事が奪われる!?」との脅威論が再加熱している模様です。

ですが、単に不安を感じたり心配していてもしょうがないので、まずは! 子供と一緒に『チャットGPT』を実際に使ってみました。

使い方は教えるまでもなく、“サクッ” とすぐに使っていました。

そして、その反応は ちょっと意外(?)な感じのものでした。
(いや‥‥ 子供的には当たり前かな?)

やっぱり、まずは使ってみるものです。

チャットGPTとは

チャットGPT(イメージ)
「ChatGPT」は、OpenAIによってトレーニングされた、大型の自然言語生成モデルです。このモデルは、文章を生成することができます。具体的には、入力として与えられた文章に基づいて、人工知能がこれにより、ユーザーが質問をすることによって、自然な文章に基づいた回答を生成することができます。

上の文面は、「チャットGPTとは」との質問を、チャットGPTにしたところ、本人(?)から返ってきた回答になります。

ポイントは、この「チャットGPTとは?」の質問をしたのが、私がチャットGPTにユーザー登録をした後、イの一番に投げかけた質問だった点。

つまり、質問者個人の傾向・バイアスがまだ何も反映されていない、“まっさらな状態” での回答だという点です。

なるほど、本人(人工知能)は、「こう自覚している」ということなのですね(笑)。

日本語としてはまだ少し妙な部分もありますが、内容的には十分わかり易く的確だと感じられます。

AI・人工知能のレベルを “一気に飛躍させたサービス” として、俄然注目を浴びているだけのことはあります。

以下、ちょっとした補足です。

「チャットGPT(ChatGPT)」とは、米・サンフランシスコの新興企業「OpenAI社」が昨年・2022年の11月に公開した人工知能型チャットボット(自動応答システム)。

公開からわずか「2ヵ月」と、史上最速で全世界のアクティブユーザー数が「1億人」を突破したことでも、話題となっています。
(※ちなみに、『インスタグラム』が1億ユーザー数を獲得するのに要した期間は「2年半」だそうです)

上述の回答文ように、従来のAI・人工知能とは別次元の “人間が書いたような自然な文章” を生成するだけではなく、詩やエッセイ,小説,コンピュータープログラム(ソースコード)まで、書いてもらうことができます。

チャットGPTは、従来の “AI・人工知能が不得手” とされていた「創造性」を有する面で非常に画期的で、「えっ?!これを本当に機械が?スゴイ!!」と、とても “ワクワク” とさせてくれるテクノロジーです。

一方、その精度があまりにも高いため、もはや「人間と区別がつかない‥‥」という観点では、教育界を始め、はや世界中で大きな物議を醸す存在にもなっているようです。

チャットGPTが拓いた「AI・人工知能との共存の世界」が、今後どのように進展していくか。

賛否両論を含め、目を離せない状況が続いていくことは、間違いのないところです。

テクノロジーの進化は “止めることはできない” ことでもあるので、子を持つ親としては、まずは「実際に使ってみることが大事!」なのではないかと。

チャットGPTは子供でも登録可能

画像出典先:チャットGPT公式サイト より

上掲画像は、『チャットGPT(ChatGPT)』に最初に登録(=サインイン)をする際の「手順」の画面を編集したものです。

チャットGPTは子供でも登録可能ですが、アカウント登録を行う際には、次の手続きが必要になります。

18歳未満の子供が登録をする際には、保護者による承認・認証の手続き=保護者のアカウントと紐づけをする手続き、が必要となります。

アカウント作成の手続き画面《あなたについて教えてください》の画面(上掲画像の右から2番目の画面)では、「【続行】をクリックすると、利用規約に同意し、18歳以上であることを確認したことになります。」との一文があるので、一見すると「18歳未満は登録できないの?」と感じられてしまうかもしれませんが、保護者のアカウントとの紐づけができていれば、問題なく登録できます

この点は『 Googleアカウント』を登録する際も同様ですので、もし、お子さんの Googleアカウントをまだ未登録の場合は、まずは Googleアカウントの登録をおすすめします。

『 Googleアカウント』であれば、今回の『チャットGPT』のケースと同様に、都度各サービスごとにアカウントを作成する必要がなく、 Googleアカウント1つで利用できるケースが多いのが “おすすめ” の理由です(※Microsoftアカウントでも同様です)。

わが家は子供が小3の時に『 Googleアカウント』を作っていたので、今回はそちらを利用して、手続きをスムーズに進めることができました。

『チャットGPT』登録の具体的な流れは、上掲画像の左から右へ、以下の順番で行います。

  1. ログイン or サインイン
  2. アカウントの作成(電子メール情報などの登録)
  3. 氏名の登録
  4. 電話認証コードの登録

初回は、(1)で「サインイン」を選択。

(2)のアカウント情報の登録で「子供」のアカウントを作成。

(3)の氏名の登録はニックネームでよく、本名でなくても可能です。

(4)の「電話認証コード」は、(2)で登録した電話番号に、『チャットGPT』からショートメールで『 OpenAI API』という名称の「6桁のコード番号」が送られてきますので、その認証コードを入力すれば完了。

ということで、「子供のアカウント」をGoogleアカウントもしくはMicrosoftアカウントで既に作成済みであれば、『チャットGPT』の登録は、ほんの数分で「はい、完了!」となります。

ちなみに、(4)の「電話認証コード」を入力した後、以下のダイアログ画面「3点」が表示されるので、それらを確認し、終わり のボタンをクリックすれば終了です。

画像出典先:チャットGPT公式サイト より

子供専用アカウントは必要か?

チャットGPTを利用するのに、子供専用のアカウント作成する必要はあるのか?

そもそも論として、そのような疑問がわくのは、とても自然なことだと思います。

実際に、アカウント作成&登録後、チャットGPTをほとんど利用しない場合は「不要」だと思いますし。

ただし、ご存じのとおりで、AI・人工知能の大きなメリットは「学習をする」という点にあります。

チャットGPTは、ユーザーがした質問の傾向を分析し、またユーザーからのフィードバックを「評価」として反映し、ユーザーの志向・嗜好性に適した回答内容を「学習」していきます。

なので、家族とはいえ、大人と子供ではやはり質問傾向がバラバラになってしまうでしょうから、それではせっかくの「AIの学習機能」を活かせないことになります。

であれば、子供専用のアカウントを作成しておいて、決して損はないのではないでしょうか。

子供としても、「自分専用のアカウントがある!」ということは、素直に嬉しいことだと思います。

そして、そうした「喜び」が、ある対象に対する(ここでは「AI・人工知能」)、子供の好奇心や関心を引き出すことにつながると思いますので。

このように、ちょっとした “ひと手間” を惜しむことなく、子供の興味・関心を広げることにつながること、あるいはつながる可能性が感じられることに、意識的に取り組むこともまた「子育てコーチング」の1つであると思います。

その観点からすれば、「子供専用アカウントは必要か?」の問いに対する答えは、「Yes!」となるのではないでしょうか。

「自分のアカウント作る&持つ」ことは、直接的ではないにしろ、それも1つの「実践的なプログラミング教育」であるとも思いますし。

とはいえ‥‥ チャットGPTの応答文は、“大人向け” で平易ではないので、小学生の低学年以下の子供にとっては “難しすぎる文章・文体” であることは確かです。

そこで、次の質問を、チャットGPTにしてみました。

晩婚あおばパパ
チャットGPTの文をより平易にした「子供向け」サービスの開始の予定はありますか?

すると‥‥ 返ってきた答えは、

チャットGPT(イメージ)
私はオープンAIによって訓練された言語モデルであり、現時点では子供向けの専用サービスは提供されていません。は可能な限り平易な表現を採用するようにしています。 今後もより広い層に利用されるよう改善を続けていく予定です。

でした。

残念ながら、現状まだ、子供向けの専用サービスの開始予定は「ない」ようです。

ということで、「いま」のところの結論は、以下のような感じかと。

子供が「小学校中学年~高学年以上」であれば、「子供専用のアカウント」を作ってあげるのがよし!

小4生のチャットGPT初体験内容

画像出典先:チャットGPT公式サイト より

ご覧のとおりで、チャットGPTのトップ画面はいたってシンプルで、良く言えば「合理的で機能的」ですが、悪く言うと「味気ない感じ‥‥」となるかと思います。

そのようなわけで、無邪気度の高いウチの小4生の子供(あおば)にはその点が、

あおば
ムムム‥‥ 真面目な質問しないといけないかな?

と映ったようで、今回の初体験では、次のような少々堅めな(?)質問をしてました。

あおば
「C」のフォニックスの発音二つが両方とも入っている単語で「C」が二つ以上入っているものは何ですか?

と。

その質問に対して、チャットGPTの返した答えは、

チャットGPT(イメージ)
「accident」です。

でした。

ちなみに、なぜ、ウチの子がその質問をしたかといいますと、以前小学校の英語の授業で「ALT(外国語指導助手)」の先生に同じ質問をしたところ、

ALTの先生
う~ん‥‥ すぐに思い浮かばない‥‥

となったことがあり、「あるのか知りたかったから」ということでした。

結果的に、人間がAIに負けてしまった‥‥ という形ですね(苦笑)。

まあ、本人はそんなことは感じてなくて、「そっか~ 『accident』か~ 」と、答えがわかってスッキリしていたようでした(笑)。

チャットGPTへの小学生の子供の反応は?

画像出典先:チャットGPT公式サイト より

こちらの画像は、(ウチの子ではなく)僕がチャットGPTへ質問をした際の応答画面になります。

チャットGPTとのやり取りは、基本的に上掲画像のようなイメージになります。

(※僕が知っている範囲ですと、コンピュータープログラムのソースコードを尋ねた際は、ソースコードの記述内容の箇所には白黒以外の色(赤や黄色など)も用いられます)

ということで、そのビジュアルデザインは必要最低限の “シンプルさ” なので、子供的にはあまり「面白みは感じられない‥‥」というのが、正直なところのようです。

それもあり、チャットGPTとの “ファーストインプレッション・第一印象” は、「わぁ!スゴイ!!」という感じではなかったようです。

それに対して、初めてアップルの『 i-Pad 』で『 Siri 』にふれた時は、まったく違った反応でした。

しばらくの間、『 Siri 』に色んなことを話しかけ続け、そのうちに “わけのわからない” ことを聞いて、『 Siri 』を困らせて遊んでました(苦笑)。

まあ、『 Siri 』に初めてふれた時はまだ、幼稚園生だったこともありますが。

でも‥‥

小学4年生となって、進研ゼミから『パロボ』というロボット型のチャットボットが届いた時も、『パロボ』に “わけのわからない” ことを言って、その反応に対して “ケラケラ” と笑い転げていましたし、半年以上経過した「いま」でもたまに同じことをしているので‥‥ 小学生の子供というのは、そんなものなのかと(笑)。

ちなみに、こちらが『パロボ』です

そのような感じで、小学生(小4)の子供にとっては、『チャットGPT』は「スゴイ!」といった驚きの対象であるというより、『 Google先生の親戚?』的な存在であるように見受けられます。
(※一応、子供も「スゴイとは感じたよ」と、言ってはいます)

『Siri』との比較

子供にとっての『Siri』と『チャットGPT』の印象度の比較は、上述のような感じでした。

その比較を、『チャットGPT』本人(?)にしてもらうと「どうなるか?」。

以下、実際の結果を紹介しておきます。

晩婚あおばパパ
チャットGPTとSiriの違いは?
チャットGPT(イメージ)

「ChatGPT」と「Siri」は、異なるタイプの人工知能です。「Siri」は、Apple Inc.が開発した、音声アシスタントです。ユーザーは音声コマンドを使用して、Siriに質問をすることができますSiriは、質問に対する回答を生成することもできますが、これは一般的に音声を介して行われます。

一方、「ChatGPT」は、文章を介してコミュニケーションを行うことができる人工知能モデルです。ユーザーは文章を入力して、「ChatGPT」に質問をすることができます。「ChatGPT」は、質問に対する回答を生成することができます。

というわけで、「ChatGPT」と「Siri」は異なるタイプの人工知能で、音声アシスタントと文章を介したコミュニケーションを行う人工知能モデルです。

この『チャットGPT』の回答を読むと、まだ幼い子供にとっては、“文章を介したコミュニケーション” より、“音声を介してのコミュニケーション” のほうが「馴染みがよい」ことが、スゥ~と理解できるのではないでしょうか(当たり前といえば当たり前ですが)。

ここで、『Siri』とは異なる、『チャットGPT』の機能をもう1つ紹介しておきます。

『チャットGPT』には、「再回答をリクエスト」する機能もあります。

具体的には、応答を再生成する という「ボタンをクリック」すると、再度、“別バージョン” の回答文を生成してくれます。

以下、“別バージョン”の回答文をリクエストした際の2つの具体例になります。

チャットGPT(イメージ)

「ChatGPT」と「Siri」は、異なるタイプの人工知能システムです。

「ChatGPT」は、自然言語生成モデルです。このモデルは、ユーザーが入力した文章に基づいて、自然な文章を生成することができます。「ChatGPT」は、質問回答に対して生成することができます主な目的です。

一方、「Siri」は、音声認識システムです。このシステムは、ユーザーが音声で入力したコマンドを認識し、適切なアクションを実行することができます。「Siri」は、音声をテキストに変換し、そのテキストを分析して、ユーザーの要求に対応することが主な目的です。

というわけで、「ChatGPT」と「Siri」は、あります異なるタイプの人工知能システムで、異なる目的に対応するために設計されています。

以下、もう一例です。

チャットGPT(イメージ)

「ChatGPT」と「Siri」は、異なるタイプのテクノロジーです。

「Siri」は、Appleによって開発された、音声アシスタントです。ユーザーは音声コマンドを使って、Siriにタスクや質問を送信することができます。Siriは、これらのタスクや質問に応じて、ユーザーのデバイス上でアクションを実行するか、音声で回答を生成します。

一方、「ChatGPT」は、テキストチャットゲートウェイを介して利用されます。ユーザーは文章でタスクや質問を入力し、ChatGPTは文章の回答を生成します。ChatGPTは、大規模なトレーニングデータセットを使って学習されているため、多くの異なるトピックに関して回答を生成することができます。

つまり、「Siri」は音声アシスタントであり、「ChatGPT」はテキストチャットゲートウェイを介して利用される自然言語生成モデルです。

こうして数例の回答内容を比較すると、実際の特徴の違いについての理解が深まりますし、その表現の仕方=文章の書き方についても、とても参考になる点があります。

また、「情報リテラシー」能力を養う&鍛える効果も、期待できるのではないでしょうか。

小学生の子供にチャットGPTの使い方を教える必要性について

上の例のように、『チャットGPT』は、小学生の子供に「文章のまとめ方」や「多様な切り口の在り方」を感じさせるツールとしても、とても有益なように感じられます。

その点も含め、小学生の子供にとっては『Siri』の音声コミュニケーションのほうが魅力的なのかとは思いますが、年代が上がって中学生・高校生となるにつれて、『チャットGPT』の文章コミュニケーションのほうが、「より使える!」と感じられるようになっていくのではないでしょうか。

特に、応答を再生成する 機能は、レポートをまとめる際などに、「スゴク参考になる!」と感じられるのではないかと思います。

小学生のうちに、「レポートをまとめる」機会というのはそうないかとは思います。

ですが!

『チャットGPT』の登場によって、現在人間がやっている作業・仕事の多くを、“AI・人工知能が代替する” という「現実」が、まだまだ先の未来の話などではなく‥‥

「もうすぐそこ!」「目の前!」に、迫ってきていることが明らかとなってきました。

そのような時代において必要な「スキル」とはなにか?

それが、チャットGPTのような人工知能・AIを使って「レポートをまとめる」といったスキルでないことは確かです。

それは、人工知能・AIに対して「どのような問いを投げ掛けられるか?!」という、「独自性」や「オリジナルな視点・観点」をどう培うか・どう習得するか、といった点になってくるのではないでしょうか。

そのような「良い問い」を立てる・考えるための「トレーニングツール」として、『チャットGPT』の使い方を教えるのであれば、そのことは小学生の子供を持つ親にとって、今後、“必要性が高まってくること” なのではないかと考えます。

教育現場での課題

その一方、単に「レポート・課題を仕上げる」ための “お役立ちツール” として、チャットGPTを利用することがないよう、小学生のうちからでも、子供たちには伝えていく必要性があります。

実際、チャットGPTの利用が進んでいる米国や韓国の教育現場では既に、次のような動きが出始めているそうです。

学生の大半がチャットGPTを宿題に使ったとの調査報告があり、一種の「カンニング行為」であるとの懸念から、都市部の公立校などでは「校内使用を禁止」とする動きが出始めている。

チャットGPTの生成する文章がとても自然で、人間が書いたのか機械が書いたのかの “見分けがつかない” レベルに達してしまったことから、既にそうした事態・問題が生じているとのことです。

こうした問題は今後、教育現場に留まらず、社会の至る所で生じてくる問題だと思われます。

その意味で「いま」、教育の現場で早速突き付けられているこのような問題は、“社会全体” としてどう対処していくべきかという課題でもあり、これからの世の中で避けては通れない大きな課題の1つとなってくると思われます。

倫理面の課題としてだけでなく、テクノロジーを用いての対策・対処法の必要性も検討され出しているなど、子を持つ親として、また社会の一員として、「いま」教育現場で課題となっているこの問題の動向には、注視が必要と感じます。

『GPTゼロ』は《AI対AI》時代の先駆けか?

上述の教育現場の課題を受け、チャットGPT誕生の地であり同時に課題先進国ともなったアメリカでは早速、課題の発生・発信源である教育現場の “学生” により、「チャットGPT対策用のAI」が開発されたそうです。

その名はずばり『 GPTZero(GPTゼロ)』。

チャットGPTが作った文章かどうかを見極めるためのAI『GPTゼロ』を開発したのは、エドワード・ティアンさん。

米プリンストン大学の4年に在籍する、22歳の学生だそうです。

彼曰く、「生成AI技術は素晴らしいイノベーション」としながらも、同時に悪用される可能性があるため「安全対策が提供される必要がある」と考え、自ら開発に着手したそうです。

ティアンさんの発想&行動力もまた、本当に素晴らしいと感じます。

その一方、『GPTゼロ』の早速の登場という流れには、《AI対AI》時代の熾烈な「いたちごっこの先駆け?」という懸念も浮かびます。

おそらく今後、AIテクノロジーの加速度的な進展に伴い、今回の『チャットGPT』VS『GPTゼロ』のような《AI対AI》を巡る “いたちごっこのようなせめぎ合い” に、私たちは否応なく巻き込まれていくのではないでしょうか。

では、そのような流れに翻弄されないためには、どうすればよいでしょうか?

その1つのヒントは、何年も前から既に「AI」と正面から向き合っている世界・分野の実践例にこそ、あるのではないかと考えます。
(※「ヒント」の具体的な内容は、以下の「おわりに~」の章にて)

ちなみに、『GPTゼロ』は日本語にはまだ未対応のようで、試しにチャットGPTで生成した文章を入力してみたところ、「この文章は人間によるもののようです」的な回答が返ってきました(苦笑)。

また、たとえ日本語に対応したとしても、全文章をチャットGPTで生成したケースでなく、チャットGPTが生成した文章を一部の要点のみに利用したような「チョットGPT(笑)」的な内容・文章も、『GPTゼロ』は見抜くことはできないのではないだろうか‥‥、とも感じられます。

おわりに-機械への対応を棋界に学ぼう

当記事後半は、『チャットGPT』の登場により、以前より根強かった「 AI・人工知能脅威論」的な課題面がいよいよ「現実化・顕在化してきた」という “負の側面” についての内容にも、それなりにふれました。

確かに、AI・機械が「ほんの数秒」で、あれだけのクオリティーの文章を生成してくれたら、「普通の学生だったら宿題に使うのも当然だよな~」と、感じます。

余程のくそ真面目な学生じゃない限り(笑)。

でも‥‥ 笑いごとではなく、この問題はいずれ「社会全体の大きな共通課題」となるのは、間違いないところ。

その意味で、「いま」の早い段階のうちから、教育現場などで対策・対処法が模索され出していることは貴重な先行事例であり、感謝すべきことだと感じます。

ここのところ、当ブログでは、藤井聡太棋士を中心に「将棋界=棋界きかい」の話題を何度か取り上げています。

というのも、将棋界・棋界は、一般社会に先んじる形で「人工知能・AIが人間の能力を超える段階」=「シンギュラリティ(技術的特異点)的な段階」を経験しているからです。

そのことは、ちまたで「シンギュラリティ」という言葉が盛んに語られ出した頃によく言われていたような「脅威」を、将棋界・棋界にもたらしたでしょうか?

いや! 実際は皆さんご存じのとおりです。

むしろ、将棋界は「いま」、数々の新記録とともに「AI超え」というフレーズをも生んだ藤井聡太というニュースターの登場により活況し、「観る将」という新たなファン層までも獲得し発展・進化を遂げています。

確かに、これまたご存じのとおりで、藤井聡太さんの登場の前の一時期には「将棋ソフト不正使用疑惑騒動」などがあり、人工知能・AIが、将棋界ならびに人間の棋士の存在に “影を落とす” 時期もありました。

ですが、いまやその負の側面は一掃され、棋界は《 AIとの共存の時代》を迎え、【新たな段階】へと突入しています。

AI共存時代の象徴となる小山玲央プロ誕生

将棋界・棋界が迎えた、《 AIとの共存の時代》の【新たな段階】とは、どのようなものでしょうか。

それは、《 AIとの共存の時代》によって、“既存のプロセス・方法論” とは異なる『新たなプロセス・方法論』がもたらされた、という(新)段階です。

具体的には、つい先日・2023年2月13日に、小山玲央こやまれおさんが、プロ棋士編入試験に合格した件になります。

これまでも、プロ棋士編入試験に合格して棋士になった方は複数名いるのですが、プロ棋士養成機関である「奨励会」に在籍したことがない合格者は、現制度では「初!」となります。

なぜ、小山さんは、プロ棋士養成機関である「奨励会」を経ず= “既存のプロセス・方法論” を経ずに、プロ棋士となれたのか。

その『新たなプロセス・方法論』を可能としたものこそ、「 AI・人工知能」の存在なのでした。

この点については、以下の『「A Iと言う武器のおかげで強くなった」棋士編入試験突破 小山怜央さん』とのタイトルが付いた23分30秒ほどの動画のうちの「16分30秒前後」の箇所にて、小山さん本人が明言されています。

従来は、プロ棋士の卵が集まる「奨励会」で、《人間 対 人間》の対局を積み重ねることによって、将棋の技術に磨きを掛け「プロ棋士へ至る」というプロセスを踏むこと、その経験をしておくことが、プロ棋士になる唯一の方法・ルートでした(プロ棋士編入試験の合格者は全員、「奨励会」経験者でした)。

ようするに、自分と同等かそれ以上のレベルの「相手」との対局を積まないと、実力を高めることができなかったわけです。

それが、人間以上の能力(=棋力)を持つ「 AI・人工知能」があるおかげで、「奨励会」という特異的な精鋭集団に属さなくても、自己の実力以上のレベルの「相手」との練習を、それこそ “いくらでも” 積むことができるようになった。

「 AI・人工知能」という新たな武器をうまく利活用することで、小山さんは新しい「ルートを拓いた」ということなのです。

以下、近年の将棋界・棋界が辿った、「 AI・人工知能」との関係性を再度整理してみます。

人間が、AI(将棋ソフト)より強かった時代

AI・人工知能が、人間(プロ棋士)を上回った時代

「将棋ソフト不正使用疑惑騒動」などの暗い時代

AIと共存し、時に「AI超え」する藤井聡太登場で新時代へ

AI共存時代の「新段階」を象徴する新棋士の登場

上の出来事の時系列プロセスを、より簡略化・抽象化したものがこちらです

【前史】から

【競争】段階を経て、

【脅威】に一時的に晒され、

【共存】の段階へ発展し、

【共生】へと進化を。

「 AI・人工知能」との関係性において、将棋界・棋界が、先行したこのプロセス。

棋界を除くほとんどの分野がまだ、このプロセスの【前史】の段階に「ある」といえると思います。

それが、『チャットGPT』の登場により、まず教育現場・教育界が「いま」、【競争】と【脅威】の段階に突如、「突入した」といえるかと。

おそらく、【競争】&【脅威】の段階は暫く続くかと思いますが、その【脅威】は時を経て、将棋界・棋界が経たように【共存】&【共生】の段階へと進んでいくのではないかと思います。

なぜなら、それは単なる希望的予測などではなく、既にそのプロセスを実現している界・分野が「ある」からです。

ということで、結論は次のようになるかと。

AI=機械への
対応方法は、
棋界きかいに学べ

と(笑)。

ということで!

『チャットGPT』には対しては、脅威論的な見方をするのではなく、その登場により拓かれる「新たな可能性」にこそ、注目・注視をしていくのが望ましいのではないかと。

将棋界・棋界がそうだったように、確かに、一時的には混乱を招く時期があるかとは思います。

ですが、その段階の後には、【共存】&【共生】の段階が、必ずや訪れると考えます。

その鍵を握るのは、何か?

そのヒントもまた、将棋界・棋界の中に「ある」と思います。

将棋界・棋界にブレイクスルーをもたらしたのは、藤井聡太さん。

その藤井聡太さんの「核を成すもの」とは、自分が好きな対象に対する、『尽きることない好奇心』なのだと思います。

そのことは、将棋以外の他のすべての分野の「 AI・人工知能」に対する向き合い方にも、「当てはまる」はずです。

『チャットGPT』もまた、ワクワクする気持ち・好奇心を持って楽しむことが、肝心

そうした気持ちを持って接した人の中から、ふじいと、もといふしぎと、聡太的な人物が現れ、必ずや「ブレイクスルー・妙手」をもたらしてくれるでしょう。

まずは! 『チャットGPT』を楽しんでみましょう!

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