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当記事では、大手進学塾の四谷大塚が主催する『全国統一小学生テスト』の難易度を、通信教育教材シェアNo.1である進研ゼミの『実力診断テスト』と比較考察することで読み解いてみたいと思います。
全国統一小学生テストは難しい‥
そうした声はネット上でも多く見受けられますが、全国統一小学生テストの難易度は実のところどの程度なのでしょうか?
全国統一小学生テストは「中学受験を対象」としたテストではありますが、では、中学受験向けの進学塾などに通っていないと、同テストには太刀打ちできないのでしょうか?
昨年、2021年の春(6月)の小3時に、「塾通い経験なし」の状態で初めて全国統一小学生テストを受験した後に、同年秋(11月)と今年・2022年の春と3回連続で同テストを受験している我が家の子どもの実経験を基に、考察をしてみます。
なお、結論から言いますと、
全国統一小学生テストの難易度が高いのは中学受験対策のテストゆえ
全国統一小学生テストの難易度が高いのは、同テストが「中学受験対策のテスト」であるからです。
中学受験の難関校で出題される問題は、小学校の教科書の範疇を超えた問題も多々あるため、その対策となる模擬テストが高難度となるのはある意味「必然」でもあります。
他方、全国統一小学生テストは、御三家と言われるような最難関校のみを対象にしたテストでは「ない」という点も重要なポイントです。
全国統一小学生テストは、小1から小6までを含む総参加者数が毎回15万人前後にもなる『中学受験対策テストとしては日本最大規模を誇るテスト』ですので、ある特定の学力層のみを対象にしたテストではありません。
我が子と“相性の良い学校”を望むご家庭から、“最難関校合格”を目指すご家庭まで、中学受験における幅広いニーズに対応した総合的な学力テスト、というのが全国統一小学生テストの特徴。
それ故、出題される問題の難易度も、基本レベルのものから超が付く程の難問もある、といったとても広範囲な内容となります。
但し、基本レベルの問題は分量も多くなく配点も低めなので、高得点を取るためには難易度の高い問題も解ける学力が必要となります。
全国統一小学生テストのキャッチコピーは「全国のライバルと さあ、競争だ!」です。
中学受験ともなれば、最後はライバルとの競争となり、その競争に臨むためには、それ相応の競争力=学力が求められる。
全国統一小学生テストの難易度が高い・高いと言われるのは、同テストが「中学受験対策向けの学力テスト」ゆえとなります。
次に、その具体的な例を、より大きな規模を持ち&より広範囲な学力層を対象としている『進研ゼミの実力診断テスト』と比較してみることで、検証・考察してみたいと思います。
全国統一小学生テストの難易度を進研ゼミの実力診断テストと比較
【進研ゼミ小学講座】と言えば、言わずもがなのシェアNo.1!の「小学生向け通信教育教材」です。
その規模は、全国統一小学生テストが中学受験対策テストとしては日本最大!と言っても、遥かに大きなものになります(※具体的な規模の比較は以下に)。
我が家の小学4年生の子どもの「あおば」は、小学校入学時より進研ゼミの『チャレンジタッチ』に取り組んでいます。
その経緯で、全国統一小学生テストに先んじて、進研ゼミが主催する『実力診断テスト』を、小2の夏から小4の夏まで「計7回」受験しています(同テストは小1時はなし)。
また、小2の途中からは同じく進研ゼミのオプション講座である『考える力・プラス講座』にも取り組んでいて、現在はその上位コースである『中学受験講座』を受講してもいます。
なお、『実力診断テスト』は、進研ゼミの看板口座である『チャレンジタッチ』の全受講生を対象として、学期ごとに1回=年に3回実施されるテストになります。
進研ゼミ主催の『実力診断テスト』を計7回、四谷大塚主催の『全国統一小学生テスト』を計3回と、どちらも複数回の受験をしてきた中で、両テストの難易度の違いを比較検討をするのに適した結果が、丁度それぞれの直近の回で得られました。
以下、その2回の結果データに基づく比較検討内容となります。
全国統一小学生テストは今年、2022年春(6月)の小4での1回目のテストでの事例。
進研ゼミ実力診断テストも同じく今年、2022年夏(8月)の小4での1回目のテストでの事例となります。
こちらの画像は、全国統一小学生テスト「社会」のテスト結果。
こちらの2つの画像は、実力診断テスト「国語」のテスト結果です。
これらの結果データから、比較検討項目を抽出してまとめたのが以下の表になります。
テスト名称/比較項目 | 100点獲得者数 | 総受験者数 | 割合(100点獲得者/全体) |
---|---|---|---|
進研ゼミ主催 小4夏の実力診断テスト |
11,507人 | 93,775人 | 12.3% |
四谷大塚主催 小4春の全国統一小学生テスト |
371人 | 26,143人 | 1.42% |
着目していただきたいのは、表右端の総受験者の内で100点満点!を獲得した子どもの「割合」部分。
「100点満点!」獲得者が “1割超” というのは「簡単過ぎ?」という気もしないでもないですが、例えば、小学校の40人学級でのテストだとしたら100点の子が「4人前後」ということになります。
そう考えると、普段の学校でのテストでも同じような結果となることは決して珍しいことではないように思えるので、進研ゼミの『実力診断テスト』の難易度が低すぎということでは「ない」のだと捉えるのが妥当だと感じます。
一方の『全国統一小学生テスト』は、割合的には100点獲得者が「0人」となるケースのほうが多くなるわけで、同テストの難易度はやはり「高い」と捉えられます。
もう1つ留意すべき点としては、「総受験者数」の違いもあります。
全国統一小学生テストの総受験者数は、進研ゼミ実力診断テストの「 1/3にも満たない」点です。
多くの子どもが受講している進研ゼミ・チャレンジ講座の実力診断テストは、元々の分母自体が大きいということもありますが、それに加え、「好きな時にオンラインで参加できる」という利便性があります。
対する、全国統一小学生テストは、日曜や祝日という “お休みの日” に、受講会場までわざわざ足を運んで参加する必要があります。
全国統一小学生テストの参加者というのは、そのようなマイナス面を承知の上でなお「わざわざ参加している」わけなので、同テストの受験に対して “とても意欲的” な参加者で構成されていると捉えられます。
全国統一小学生テストでの「1.42%」という数値は、それだけの意欲を持った参加者の中においての数値である点を考慮しますと、同テストの難易度の「高さ」というものの実体が、より正確に感じられてくるのではないかと思います。
全国統一小学生テストと進研ゼミ実力診断テストとの難易度の差については、「平均点」のにも現れていると思います。
当該2つのテストの教科別の平均点をまとめてみたのが、以下の表になります。
(※全国統一小学生テストは算数と国語の2教科が「150点満点」となるので、同テストは平均点ではなく正答率として換算しています)
テスト名/教科別平均点 | 社会 | 理科 | 算数 | 国語 |
---|---|---|---|---|
進研ゼミ主催 小4夏の実力診断テスト |
81.1点 | 77.0点 | 77.1点 | 75.4点 |
四谷大塚主催 小4春の全国統一小学生テスト |
69.3% | 54.9% | 54.7% | 55.2% |
進研ゼミ『小4夏の実力診断テスト』については、この平均点の高さをみると、小学校の普段のテストより難易度はやや低いのかもしれませんね、もしかしたら(苦笑)。
対する、『小4春の全国統一小学生テスト』は、社会の平均点だけが突出して高くなっています。
他の算数・国語・理科の3教科の正答率(平均点)が「±0.5%以内」であったことを考慮すると、当該回の社会のみが「例外」だったと考えるのが妥当だと思います。
《本ページはプロモーションが含まれています》 【あ劇場©】へようこそ。 本日の晩婚パパの《コーチング的育児実録》の演題は【社会なら全国統一小学生テストで100点満点が可能でした!】です。 先日(2022年6月末)、我が家の小学[…]
実際、全国統一小学生テストの公式案内チラシには、「全国統一小学生テスト実施要項」という項目もあり、その内容には以下の記載が含まれています。
年長生は配点の80%,小学1年生は70%,小学2・3年生は60%,小学4・5・6年生は55%が平均点となるよう,試験問題を作成しています。
ですので、算数・国語・理科の3教科については、その難易度が試験作成者側の「想定通り!」だったのでした(お見事です!)。
「塾なし」環境について
全国統一小学生テストの難易度を調べている方は、お子さんが学習塾に通っていない方が多いのではないかと思います。
四谷大塚さんを始め、首都圏の進学塾にお子さんが通っている場合は、全国統一小学生テストの難易度をイメージしやすいでしょうし。
逆に、子どもが学習塾に通っていない場合は、イメージすることが難しくなると思います。
かく言う我が家の場合も、子どもは学習塾に通っていないので、昨年の春に初めて全国統一小学生テストを受験するまでは、その難易度のイメージはありませんでした。
その点を振り返るに、当記事が「塾なし」の学習環境下で子育てをしている方々の参考になれば嬉しく思います。
さて、ウチの子はいわゆる「学習塾」に通った経験は “ない” という意味で「塾なし」の学習環境ではあります。
ですが、その一方、通信教育教材においては基礎講座(=チャレンジ講座)だけではなく、小学校低学年の内から上位のオプション講座も活用してきてはいます。
となると、もしかしたら‥
という声が聞こえてきそうな気もしないでもないですが‥(苦笑)
塾の先生・講師に教わった経験は「ない」という意味で、捉えていただきたいと思います。
なお、オプション講座の『考える力・プラス講座』及び『中学受験講座』を含め、実際に子どもが教材に取り組んでいる際は、我が家の場合は親が教えたり、側に居たりすることはありません。
というか‥ ちょっと覗き込んだだけでも、
と、言われてしまったりしますので、特に僕の場合は(苦笑)。
ちなみに、解答済みのテキストの「マル点け」は主にママが担当しています。
そのようなわけで、通信教育教材に関しても、基本的に大人が関わることはなく、子ども本人が独力で取り組んでいます。
というわけで、先にみてきた2つのテストの結果データは、このような学習環境下の基での結果となっています。
おわりに
当記事では主に、全国統一小学生テストの難易度を、より多くの人に馴染みのある進研ゼミの実力診断テストと比較することで検証・考察してみました。
全国統一小学生テストは「中学受験」を対象にしたテストであるのに対し、進研ゼミのメイン教材であるチャレンジはより基礎的な内容であり、あくまでも小学校での学習内容を補完するものであります。
また、進研ゼミさんの場合は、中学受験の私立最難関校を対象とするような教材の提供は行っておらず、最難度の教材でも「公立の中高一貫校」を対象とした教材の提供までで留めていることを、公式な情報として発信しています。
いえ、一口に「中学受験」といっても、偏差値でいえば40台から70台まで様々な学力レベルがあり、全国統一小学生テストはある意味、その全ての学力レベルの問題を対象にしてもいます。
全国統一小学生テストの問題は、難易度の低いものから高いもの、そして難問と言える類いまで様々なレベルのものが満遍なく含まれた構成になっています。
したがって、主対象とする学習対象は異なるのですが、両テストが扱う問題の学力レベルの間には重なり合う部分は多くあります。
多くというか、大半は重なっていて、ただ「両極」が異なっているだけ、と捉えるのが正解だと思います。
全国統一小学生テストは最難度の問題も扱っていて、進研ゼミの実力診断テストはとても基礎的な問題も扱っている、という違いがあるだけだと。
実際に、ウチの子の両テストの結果をみてみても、全国統一小学生テストで予想以上の好成績をあげてくれることもあれば、進研ゼミの実力診断テストでは結構それなりに“取りこぼし”もしています。
進研ゼミの実力診断テストについては、マークシートの記入欄を間違えて、平均点を大幅に割るといった失敗をやらかしてくれたこともありますし(苦笑)。
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ということで、「難易度が高い!」と言われている・言われがちな『全国統一小学生テスト』ではありますが、全問題の難易度が高いというわけでは決してないので、必要以上に身構えてしまう必要もまた「ない」と思うのです。
むしろ、中学受験を考えてなくても、日頃「塾なし」の学習環境で過ごしているのであれば尚更、子どもの強み弱みや実際の学力レベルを知る機会・ツールとして、『全国統一小学生テスト』を利用しない手はないかと思います。
我が家の場合は、子どもが大の本好きなので元々、「読解力は高いほうだろうな」と思っていたのですが、全国統一小学生テストを受験したことにより、その力が予想以上に高かったことを知ることができました。
また、全国統一小学生テストを “続けて受験” してきたことで、子どもの学力の的確なレベル・位置(ウチの子の場合は「国語」の力が安定している点)を把握することができたので、このまま「塾なしでの中学受験を進めていく」という方針を定めることができました。
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『全国統一小学生テスト』の難易度は、高いばかりではありません。
確かにその難易度は全般的に高いですが、難易度がとても高い難問は数問だけです。
その超難問はできなくても、基礎的な問題や難易度高めの問題をシッカリと解くことさえできれば、偏差値でも「60台」を十分取れる内容です。
もし、難易度の点で迷われているのなら、一度、「体験授業」だけでも受けてみることをおすすめします。
★全国統一小学生テストの【公式サイト】は、 こちらです。
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